志賀理和気神社祭典山車2023
※南部流風流山車の『早川鮎之介』
戸板ひとつで 流れをとどむ ちから勇者ぞ 鮎之介
(見返し)我は去るとも 思いは残す みなみおもての この花に
南面の桜@/南面の桜A:双方わかりやすい写真ではないです…
※南部流風流山車の『雨の五郎』 ※南部流風流山車の『川中島の戦い』
【一番組】描かれた分の水は非常に上手く、また遠望時には圧巻の見栄えであった。体にかかる部分の水をすべてリレー式の照明としたのも面白い試みではある。/ただ立体の水・つまり飛沫の配置が寂しく、体にかかる水の描写も昼間は味気なく、また背面からの水の勢いを受けている感があまり感じられない体勢であった。流れ全部が電飾であるのは華やかな反面、眼がチカチカして見づらい。見返しは、「桜」が主役であるなら枝を集めただけでは十分でなく、舞台全体がもう少し高い位置にあるべきと感じた。
姉が覚悟の 血潮の流れ 忠義を託す 紅流し
武勇輝く 流れに灯 心湧き立つ 水の色
八重に九重 十八番の歌舞伎 花の姿絵 当たり芸
(見返し)牡丹花笠 五色を腰に 踊る姐子の 艶やかさ
平成20年上組/平成24年上組
馬上謙信 大太刀振るい たじろぐ信玄 幕のうち
獅子虎挑みて 川中島に 戦激しく 雲を呼ぶ
※令和元年志賀理和気神社祭典山車 橋本組
出店の暖簾の奥に見える町の本来の明かりがだいぶ乏しくなったと思って、ふと気づく。そうだ私はこの町に、あまりにも足を踏み入れていなかった…。
【下 組】一番長く見ていた気がする。一戸では飾り方が非常に重要だったので、その再現いかんが日詰での見栄えのカギであった。結果的には十分達成、神社前に並んだ姿もひときわ華やかで、背の高い山車に見えた。高張提灯の位置にも気遣いがある。見返しの纏の車紋が表に少し見えるが、これが北京の月に見えるようだったら一層良かった。/写真3枚目は神社前の幟立てで、鉄筋の支えは初めて見たので載せた。
【上 組】組み上げ時、人形部分の高さがだいぶ抑えられていて心配だったが、出来上がりにさほど違和感は無く、顔も味があり、桜なども丁寧に見られる飾り方であった。見返しは鍛冶町さんさ踊りの礼・手拭い踊りで、背景などここまでの蓄積が上手く活きた形。/とはいえ、大人形仕立て・濃い顔の五郎も見たかった気はする。手紙の中身は、読んで耐えうる形であってほしかった。
【橋本組】前回の焼き直しは前代未聞で、これは風流山車という定義自体を侵食しているから、あまり色々と考えられずただただ不快であった(申し訳ないが、この感覚は動かせない)。見返しには背景・演出にだいぶ変更が入り、紅葉の効果がよく出た反面、眼目の登った感はほぼ消えた。信玄の構えのみ、前回より強そうな感じはした。
写真・文責:山屋賢一(やまや けんいち)/連絡先:sutekinaomaturi@outlook.com
岩手県紫波郡紫波町日詰 令和5年9月1日(金)・同2日(土)・同3日(日)
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