川口豊城稲荷神社祭典山車2023



 久々の川口の山車は各々の出来栄えにだいぶ差が出たが、面白い山車祭りには十分なった。

 



勧進帳 / 雲竜 【下町山道組】

難関関所で山伏問答 めざすは奥州平泉(川口秋まつり豊城稲荷神社祭典山車/岩手県岩手町/令和5年9月)

詫びの酒で 延年の舞 富樫に感謝し 後を追う
(見返し)見返し高く 竜神乗せて 覗く豊穣 願い込め

※南部流風流山車の『勧進帳』



弁慶機転を安宅関で 主君打ち据え金剛杖(川口秋まつり豊城稲荷神社祭典山車/岩手県岩手町/令和5年9月)雲を蹴散らし龍神昇る 八方睨みで厄を断つ(川口秋まつり豊城稲荷神社祭典山車/岩手県岩手町/令和5年9月)

(所感など)

 伝統題であり、平成の中・後期に著しい発展を見せた題でもある。
 当組初挑戦の飛び六方は、3台のうち唯一、非常によく動いて見えた。特に遠望時の躍動ぶりは圧巻で、足元の花道もはっきり見え、絵紙にはその構想や狙いが余さず盛り込まれた。それでいて顔・胸元のみに視野を絞れば、私が幼い頃の勧進帳の趣(例えば昭和61年の日詰一番組)がそのまま維持されていた。
 写真2枚目は、描かずに立体(実際の松の木)を使った松羽目。





釣鐘弥左衛門 / 中秋の名月 【 み 組 】

腕の力に名を得し勇士 またも大鐘差し上げる(川口秋まつり豊城稲荷神社祭典山車/岩手県岩手町/令和5年9月)

強きを挫き 弱きを助く 男じまんの 弥左衛門
(祝)秋の実りに 真心こめて この家(や)栄えと 奉る

※南部流風流山車の『釣鐘弥左衛門』(当組前作含む)



川口秋まつり豊城稲荷神社祭典山車(岩手県岩手町)令和5年9月川口秋まつり豊城稲荷神社祭典山車(岩手県岩手町)令和5年9月

(所 感)

 前回と同じ着物だが裏地を見せたり、鐘には金を吹き付けたりしてずいぶん色味が増し、面白くなっている。たぶん差し上げた後に鐘を投げた場面なのだろうが、鐘の位置が悪いために物語が浮いてこないのが惜しい。





瓶割り柴田 / 鞆の津ばやし(園井恵子) 【 井 組 】

士卒の怒鳴ものともせずに奮起を誘う瓶砕く(川口秋まつり豊城稲荷神社祭典山車/岩手県岩手町/令和5年9月)

近江の城の 背水の陣 水瓶割りて 勝ち戦
(見返し)瀬戸の尾道 囃子に浮かれ 心も踊る 鞆の浦

※南部流風流山車の『甕割り柴田』



稲荷祭りに彩り添えて園井恵子のあで姿(川口秋まつり豊城稲荷神社祭典山車/岩手県岩手町/令和5年9月)

(所感など)

 写真映りの良い山車で、ここに使いたいものは他にもたくさんあった。遠望時は瓶との2体もの的な趣にもなり、槍先が瓶を突き砕いた感は前回・先行作よりよく出ている。
 見返しは宝塚歌劇における一幕といい、浜千鳥柄の着物を使った。色彩・バランスなど素晴らしい出来で、中央に垂れた紅葉一枝も趣深い。





※岩手町内各組歴代作例


写真・文責:山屋賢一(やまや けんいち)/連絡先:sutekinaomaturi@outlook.com
岩手県岩手郡岩手町川口 令和5年9月23日(土)

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