岩手県花巻市 大迫あんどん祭り

 



若衆組「義経一の谷」

 今からおよそ200年前の江戸天保年間、飢饉で日本中が大凶作に見舞われ、東北では特にたくさん餓死者を出した。このとき旧南部領に餓死者を供養する様々な民俗行事や伝統芸能が誕生したが、中でも山車を伴う稀有な例として、大迫(おおはさま)の盆祭り 通称「あんどん祭り」がある。
 お盆のあんどんは、もともと中乙(ながおと)の念仏踊りを照らし出すための灯りとして、高価な提灯に代えて家々で作られたものであったという。墓参りにも棒に立てた箱形のあんどんが伴われ、やがて墓石を凝らして「南無阿弥陀仏」と大書した大行灯を荷車に乗せ灯火や香花で飾り、鉦や太鼓を鳴らして歩くようになった。現在のような山車の姿になったのは、戦後のことらしい。【添写真 若衆組『一の谷』(平成17年)】

 あんどん祭りは8月14日、盆の帰省客を迎えて盛り上がる。夕方の4時ごろに町内4つの山車組があんどん山車をカケスから引き出し、盛岡山車によく似た太鼓ばやしで街中を引き回す。
 山車の意匠は盛岡山車の異伝ともいうべきもので、大八車に盛岡そのままの構成で大太鼓・小太鼓を配置するが、勢いよく太鼓をたたく秋祭りに比べ、盆のあんどん山車の囃子はどこかおっとりと、時に淋しげでさえある。笛は1本だけで、旋律が醸すのどかさが私には、慣れ親しんだ日詰一番組の笛に似て聞こえる。
 山車ははじめは交通整理をしながら運行するが、交通規制がかかる夜7時ころになると運行ルートの関係で山車が4つとも商店街の真ん中「仲町交差点」に集まる。7時・8時半…と数回このような交差があり、辻を上手に使って互いに道の譲り合いをする。この時が、祭りの一番の盛り上がりである(他の山車行事一般に見られる合同パレード的な催しは、あんどん祭りには見られない)。
 山車が四方に散ると、その集客を利用して中乙念仏踊り・八木巻(やきまき)神楽・竪沢(たつざわ)鹿踊りなど地元の郷土芸能が披露される。大体30分くらい演じて観客の拍手を浴びたころ、また山車が帰ってきて…と繰り返す。平成18年頃からこの機会に各組の音頭・囃子の競演が行われるようになり、その後は大迫音頭を歌い踊って盛り上がる。

下若組「成田屋」

 大迫あんどん山車の絵柄は「南部凧絵に影響された」のだという。何度か足を運んでさまざま作品を見て思うに、もっといろいろなところから影響を受けているはずである。
 「人形化したのは隣県青森のねぶたの影響だ」という話も聞いたが、ねぶたの場合は都会から持ち込まれた芝居絵などを真似して描いているうちにいつの間にか津軽独特の画風が生まれ、現在その画風として確固たるものが出来上がっている。一方、大迫についていえば、未だに「独特の画風」というのは生まれていないように感じる。だから盛岡山車の絵紙を真似たり、錦絵を真似たり、ときには漫画やアニメにすら画風を学んでいる。あんどん山車に採り入れられている手塚治虫の画風や少女マンガの画風は、言わばねぶたが吸収し得なかった「蓄積のタイムラグ」である。
 構図も奇想天外で、全身を描いたと思えば証明写真のように胸から上を切り抜いたり、顔だけ大きく作る趣向もある。ねぶたのように針金を使わないのが信条なので、平面に描いた図と奥行きを使った立体部品が混在する。出来栄えは千差万別で、ときに素人くさい作品も出る。溶かした蝋が絵を流してしまっていたり、顔の真中を竹ひごが思いっきり横断していたりする。「芸術的ではないが面白さを感じてしまう山車」が多く、発展途上というか変化の途中であり、だからこそ思いも寄らない珍品が出る。演題を聞いただけでは面白いかつまらないかわからない。同じ演題で100通り作れるような山車なのである。
 流動的ゆえに大迫あんどん山車の作風は格別で、発想に驚くことについて大迫の右に出る山車祭りは無い。【添写真 下若組『成田屋』(平成16年)】

 

○各山車組について
※絵師が変わればがらりと作風が変わるのが大迫あんどん山車なので、ここに書くのはその一時期の様相でしかない

[下若組]

…下町の山車。武者ものが得意で、平成に入ってしばらくは仏画を採らなかった。私が見始めたころ(平成14年)は鎧は箱型の行燈のつなぎ合わせで作り、矢や刀・手綱なども細い行燈をつなげて作っていた。両脇袖は町内では唯一、演題背景の絵柄であった。
 顔を小さく全身を描く構図が主流となり、必ず枠を通さない平面状に顔を描く。音頭や詩などを両脇および飾りの一部に入れ、脇の絵もろとも両日で取り替えてしまう。単に「南無阿弥陀仏」と大書しただけの年もあり、盆祭りの古態に近づこうとの意図も窺える。平成20年代中盤からは、配色を絞ったモノトーンの色使いが多くなった。
 複数の絵描きで仕上げているためともいうが、日によって落ち着き・統制のある絵柄であったり、気迫あふれる燃え上がるようなであったりする。いずれ4組中際立った出来栄えで細部にわたって非常に凝っており、練り抜かれた山車である。

上若組「普賢菩薩」

[若衆組(大迫青年の会)]

…表裏を対応させた歌舞伎の演し物をよく使う。盛岡の山車絵番付・青森ねぶたなど、絵柄の参照先が比較的わかりやすい作品が多かったが、近年少しずつ創意が見え始めてきた。絵柄の一番上に松を描く等盛岡山車への意識が強く見られた時期もある。他に無い、手を省く構図がまま見られる。主に背面に上がる仏画は4組中最も創意に富み、毎回斬新な趣向を見せている。全体を平面とする絵柄も多かった。
 平成16年ころまでは、作業場を体育館に設けてカケスを立てず、祭り当日にビニールシートを1枚上から張っただけの本陣を作っていたが、現在は町の中心部にカケスが立っている。

[
上若組]

…上町の山車。錦絵を意識した人物の表情に独特の味があり、顔・目配りを見せる行燈山車である。人形山車に採られることが極めて稀な珍しい演題をたびたび出している他、般若や仁王を顔だけ大きく作るのは、上若あんどんならではの面白さである。
 音頭上げの際、上げる人を周囲で扇いであげる風景が見られる。以前は藤の花を模した▽行燈を、おもに14日の山車に飾っていた。町内4組のうちもっとも古風な、素朴な風合いの山車である。【添写真 上若組『普賢菩薩』(平成16年)】

[
川若組]

…川原町の山車。退治ものなど組みもの・妖怪画の類いが得意で、見返しにも相当こだわった大がかりなものを作る。
 山車全体を蝋止めし、枠と枠との間を糸巻きでつないで山車全体に緩やかな曲線を出している。細部の曲線が山車を立体的に見せ、転回する時に趣向が動いて見えるようなこともあった。
 画風のオリジナリティーが強く、行燈の枠線を上手に活かし、退治される対象、とりわけ鬼の絵などを迫力満点に仕上げる。他の組では側面(袖)に仏画を描くが、この組では鬼や登り龍など凄みのある構図を描いていた。ただ「南無阿弥陀仏」と墨書する年もあった。
 カケスを設けず高架下で山車を仕上げる。




若衆組「毛抜」

 町内にはあんどん山車のほかにも大小さまざまなあんどんがちりばめられて、ぼんやりと辺りを照らしている。大迫独特のお盆の風情だ。亀ヶ森から石鳥谷へ抜ける帰り道で、提灯や電飾を使った「光る盆飾り」とでもいうべきものをたくさん見たが、このテの風習の延長線上に大迫のあんどん山車があるのであろう。通りに面した一軒一軒で軒に提灯を吊り、玄関先には腰掛を用意して山車を待っている。山車は狭い道路いっぱいに張り出して、愛想を振りまきながらやってくる。石鳥谷のように、一軒一軒に山車のハナを向けて音頭上げをする。町のどこもかしこも本当に山車を待ちわびているのが、余所者の私にもわかった。【添写真 若衆組『毛抜』(平成18年)】

 1日あけて16日には山車の絵柄が変わる。表裏で4種類の絵柄が用意されるわけだが、どれか一つを仏画とすることが暗黙の了解という。帰省客が戻るので16日は観客が減るといわれているが、音頭はこの日のほうが聞く機会が多く、引き子の活氣も熱を帯びている。私自身はどちらかというと、16日のほうが居心地が良い。


 音頭上げには上げ太鼓・止まり太鼓の非常に緩いリズムのものが先行し、一戸と同じように合いの手に太鼓拍子が入っていた。音律は盛岡型に寄せているが歌詞は自前が多く、おおむね田舎びていて野暮ったい。上げ方もこれに添っている。中に2・3、ハッとするような歌詞が出ることがあって、最近はそれを目当てに出かけているようなところがある。矢鱈に長い音頭があると聞いてみると、「小栗判官」という民謡のようなものを歌っているのだという。薬売りの口上が歌われており、引き子が扇を開いて山車の前で踊り始める。最後は音頭上げと同じように「よおおいよおおい、よいさあよいさ…」と終わる。時期的なこともあるのだろうが、あんどん山車の音頭上げの響きにひどく愛着を感じた。【添写真 川若組『夕涼み』(平成18年)】

 

川若組「夕涼み」

(平成14〜年見物)


日程整理

14日・16日ともほぼ同じ日程で進行していきます※



      ●午後4時から4時半  各組あんどん山車カケスを出発
      ●午後6時まで     各組地元披露(以降1時間は自町以外一箇所の門廻り 往路は直進・復路で音頭上げ)
      ●午後7時       仲町交差点に山車4台集結・進路交渉
      ●午後7時過ぎ     進路交渉終了後、仲町交差点にて郷土芸能公演
      ●午後8時半      仲町交差点に山車4台集結・音頭共演等・進路交渉
      ●午後9時過ぎ     各組地元運行・初盆の家での音頭
      ●午後10時      小屋入り(厳守)・交通規制解除


※祭典期間中、中心街で資料公開の恒例がある  

 

 

実際に見た山車の感想

平成14年の14日
上若組 若衆組 下若組 川若組
大工六三(ろくざ)/鯉 児雷也/恋する猫たち 巴御前/福の神(七福神) 安倍晴明/★黒旋風李毅の虎退治
歌舞伎狂言から鯉掴みの場面を取材。南部凧絵風の素朴ながら鋭い表情が光る。蝋の流れ込みが特に目立つ作品で、ここまで行くと表現技法のひとつなのだろう。見返しも鯉の滝登りで、趣向をそろえた。 盛岡山車の絵紙を参考に構想、蝦蟇は煙山画伯、人物は富沢茂氏の絵柄を真似ている。背景は墨絵の竹林。見返しは地元在住(出身?)の絵本画家の作品。 裏面の七福神は一人一人を平面に描いて、それぞれ浮き出したように竹を編んでいる。桃色をアクセントとした巴の表情が初々しい。 陰陽師が上方から鬼に襲われる構図で、鬼の配色・デザインが白眉。見返しは同様の趣向で虎退治の場面を描き、表と見まごうほど。両側面には登り竜の荒々しい飾り絵。



平成15年の16日
上若組 若衆組 下若組 川若組
関羽/日光菩薩 早川鮎之助/★金の魚 ★川中島(謙信)/★川中島(信玄) ★日本武尊/★お化け傘
味のある表情に鉾を斜めに添えて、絞り込んだ要素からきっちり関羽を表現。見返しは蓮の花が点滅する。側面は金魚の図柄。 盛岡山車の番付が元になっている。平面に板からあふれ流れる川の激流を描き、食い止める鮎之助は衣が緑。遠望してこれと見定められる面白みと、近くに寄って独特の表情。見返しは水色を基調に金魚とそれを取り巻く藻を描き、、中央上部の金魚だけが金魚灯篭風に立体に作ってあり、山車の最上部から渡した竹の竿に釣り下げた。左右に巧妙な仏画を描く。

表は馬から躍り上がって信玄に待ったをかける上杉謙信、斜め下に切り立つ太刀と目前にかざす手、箱型行燈を巧みに用いて手綱や鎧が表現されている。見返しの信玄を人形だけを馬鹿でかく作れる山車はいい。兜のクワガタが高さに応じて開閉できる仕掛け。

スサノオノミコトがミズラの白装束でおろちを組み伏せ討たんとする場面。バランス絶妙で、構図の活かし方が上手。独自性の光る表情。見返しにはお化け、傘が上手に怪物の姿を隠している点、周りに取り巻きのお化けたちが右往左往する面白さ、墓石の裏側に青紫の蛍光灯を照らす工夫。両側に描く風人雷神図の迫力。


川若組「加藤清正」
 
平成16年の16日
上若組 若衆組 下若組 川若組
早池峰天狗/普賢菩薩 鏡獅子/ぶどう娘 ★成田屋(暫)/成田屋(不動) ★音声菩薩/加藤清正【添写真↑】
前方に鼻を突き出す赤面の天狗。決して巧みな作品ではないが、見ごたえを感じさせる。葉団扇は小さな行灯をいくつか組み合わせて表現した。 盛岡の番付の模写であろうが、髪の色を単に白ではなく淡い水色としたり、衣装の色調も柔らかに、さわやかな色調の山車に仕立てた。 行灯山車だからこそ作れる迫力満点の暫。あえて顔は小さくし、左上に見得を切って大きく広げる手と、肩を思い切り入れて構える大太刀のインパクトがすごい。見返しも存在感抜群。

鳳凰に乗って笛を吹く音声菩薩。色彩も素晴らしく、単調ではないが安定感を感じる。見返しは虎の黄色と笹の黄緑が明るく、清正は頭上に槍を捧げた二戸タイプの虎退治。



平成17年の14日
上若組 若衆組 下若組 川若組
矢の根/弁才天 火の鳥/★一の谷 ★大物の浦(船弁慶)/★鬼若丸 義経/蔵王権現
大きな顔の矢の根五郎、矢は五郎の手を離れ、左上に突き出すように付いている。見返しの弁財天は、七福神というよりは如来様のような風貌。 手塚治の火の鳥を左右対称の幾何学模様のように描いた異色の作品。和の雰囲気に欠ける点が残念だが、意外性がある。見返しは構図を非常に凝った一の谷の戦いで、画面右側に馬上の義経を馬と顔、手のみ描き、左下から中央にかけて谷に布陣する平家の陣営を配した。 画面左上には長刀を振るう平知盛の怨霊、右下に巻物を広げ祈祷する弁慶、どちらも表情、色彩とも素晴らしい出来。見返しは緑とオレンジの色彩で鯉を作り、鬼若丸の修行の場を作った。 画面左側にさかさまに刀を下ろした義経鵯越の逆落とし。見返しは修験道の本尊である蔵王権現の姿を、赤々と燃える炎の光背で描いた。早池峰神楽を意識して修験道の仏を選んだか?!


下若組「鷹乗り児雷也」
 
平成18年の14日
上若組 若衆組 下若組 川若組
大蛇丸【添写真↓】/大黒天 雷神不動北山桜 毛抜/藤娘 ★児雷也【添写真↑】/★七ツ笠 碇知盛(全身)/夕涼み
浮世絵のような風貌で、般若は蛇の強調かと思ったが、実際の歌舞伎に即したデザインだった。蛇の造形、色合いも良い。 一見全然歌舞伎らしくないのだが、磁石もあるし毛抜きもあるし、必要なものが全部揃ってきちんと歌舞伎の毛抜になっていた。独特の画風で味がある。見返しは平面に大きな美人画を書いたもので、漫画チックだった。

蝦蟇ではなく、弓矢を持って大鷲に乗る児雷也。鷲の顔などアンドンの形を上手く使った。見返しは娘道成寺の笠踊りだが、「七つ笠」と題をつけたセンスが面白い。笠が立体で人物が平面というアンドン山車ならではの組み合わせ

盛岡一番組の番付風。波の表現が面白かった。見返しは漫画風。

上若組「大蛇丸」

平成18年の16日
上若組 若衆組 下若組 川若組
★鏡獅子/地蔵菩薩 ★千手観音/大難猿 悪七兵衛景清(牢破り)/持国天 不動明王/役行者
前髪を掴んだ証明写真サイズの鏡獅子で、粗い画風だが味わいがあった。髪の部分に2色の蛍光灯を入れて自動で切り替わる仕掛けにし、髪の色が紅から白へと移り変わるようにした。アンドン山車でないと出来ない大変面白い工夫である。切り替わりがスムーズにいかないのも逆に効果的であった。 顔や身体が大きくて手が極端に細いので、遠くから見ると不思議な昆虫のようである。左右に揺らぎながら夜光虫が大迫の夜を這い歩くさまは、シュールであった。目の部分に赤い電球を入れて点滅。見返しは、陸に虎が跳ねていて海には龍がいて、その間に南天の枝をかざす小さな猿がいる。縁起の良い絵柄とも、「にっちもさっちもいかない」という暗示とも。 盛岡の城西組が出した牢やぶり景清の構図を主に使っている。格子に抱きついた景清が歯を剥き出していた。背景を綺麗に格子でまとめている。 正統派青不動。背にした火焔の影響で少々全体が小振りになってしまったが、絵のスキルは抜群であった。見返しは両足に鬼を踏み据えた役小角。

山車のすれ違い(「関羽」と「錦祥女」)

平成19年の14日

上若組 若衆組 下若組 川若組
★関の扉/毘沙門天 三国志 絵巻(関羽)【添写真↑】/歌姫豹蝉 ★国性爺和藤内(虎退治)/錦祥女【添写真↑】 剣の護法【添写真↓】/児雷也
舞台からはみ出した大鉞が迫る迫力、半開きの口、うつろな目、明らかに不自然な位置にあるからものすごく目立つ手、桜の花びらの小さな飾り…ずるいくらいアンドン山車の利点を生かした快作。大伴黒主の大首絵柄に桜吹雪の背景を描いた。 青森ねぶたの絵図を踏まえた構想、斜め上に上がった手のねじれ具合がなんとも。血走った目は中から赤いライトで点滅。 側面に書いてある音頭がすごくいい文句、構図もまとまっていて、特に虎の使い方がスバラシイ。見返しは器の縁の模様が中国っぽくて、全体に安定感のある一台。 信貴山縁起絵巻より、醍醐天皇の病気を治しに来た金色の童子、無病息災を願う山車。ここしか描けない独特の絵柄。側面の鯉も上手い。見返しは巻物に噛み付くキバが印象的。

山車と町並(川若組「剣の護法」)

平成19年の16日

上若組 若衆組 下若組 川若組
★熊坂長範/如意輪観音 矢の根五郎/★聖観音 ★江戸の華(め組の喧嘩)/★金剛夜叉 瀬織津姫/連獅子
大きな役者絵が街路を蠢いているだけで十分面白い。右上の牛若丸の扇がアクセント。 正面から見た矢研ぎ、赤よりは濃いピンクの色調。見返しは観音様を囲む花輪の配色が素晴らしい。 構図が素晴らしく良く、四ツ車は本当におっかなかった。顔を完全な平面にしていることで、かえって迫力が出た。 早池峰山の女神、龍に乗った姿。見返しの連獅子は親の髪が青くて体勢も独特、牡丹が効いている。


平成20年
山車組

上若組
演題14:鯰退治/恵比須
演題16:★将軍太郎良門/閻魔大王

下若組
演題14:★竜虎(川中島)/八重垣姫
演題16:葛城山(坂田金時と土蜘蛛)/こんがら・せいたか

川若組
演題14:金太郎鯉/鬼女紅葉
演題16:十一面観音/風神雷神

若衆組
演題14:船上奮迅/昇り鯉
演題16:鳴神/阿弥陀如来



平成21年

上若組 若衆組 下若組 川若組
演題14:般若の面/吉祥天
演題16:江戸火消し/達磨大師
演題14:児雷也(児雷也と大蛇丸)/郷土いろはかるた
演題16:雨の五郎/文殊菩薩
演題14:★車引(梅王・時平)/精霊流し
演題16:★鬼同丸/文殊菩薩
演題14:鬼門金神/巴御前(巴と武者)
演題16:★俵藤太/竜虎
14日は大きな般若のお面をどーんと飾ったインパクト抜群の山車、16日は斜め上に掲げた大提灯が印象的な町火消しの錦絵。 児雷也は大蛇を握りつぶして大蛇丸を踏み倒す構図、大蛇丸の顔は青白く、目玉は赤く光る。雨の五郎は手紙を立体にしてアンドンの前に広げた。 鬼同丸は大蛇の妖術を使う場面で髪からなにから逆立った鬼気迫る一作。アンドン山車の特性を見事に引き出した。 武者と組んだ巴御前は珍しい。百足退治は人物と百足が折り重なりながらきちんと矢を放った構図になっていて、側面には蝶や蜘蛛が跳梁。竜もトラもおのおの迫力たっぷりで、竜の胴もダイナミックに。



上若組「助六」


平成22年
山車組 写真・コメント

上若組
演題16:助六【添写真↑】/妙音菩薩

下若組
演題16:★怪童丸(鯉)【添写真→】/大元帥明王

川若組
演題16:騎龍観音/★大威徳明王

若衆組
演題16:国性爺(和藤内虎退治)/★十一面観音

下若組「怪童丸」


 16日の行灯では、上にあげた「怪童丸」と「十一面観音」が印象的。十一面観音は首から上だけを大きく描く発想が面白かった。


平成23年
山車組 コメント

上若組
演題16:瓢箪鯰/魚藍観音

下若組
演題16:三陸火消し/観世音菩薩

川若組
演題16:天女/一寸法師鬼退治

若衆組
演題16:虚空蔵菩薩/★娘道成寺【添写真→】

若衆組「安珍清姫」


 震災を受け、命をなげうって半鐘を叩き皆を逃がそうとする「三陸火消し」や、恵比寿様が鯰を瓢箪で抑える「瓢箪鯰」などが描かれた。
 若衆組「娘道成寺」は綱と顔への光の入れ方が工夫されている。


平成24年
山車組 コメント

上若組
演題14:仁王(顔だけ)/布袋尊
演題16:★勧進帳(弁慶富樫)/普賢菩薩

下若組
演題14:鍾馗(獅子と)/慈母観音
演題16:不動明王/文殊菩薩

川若組
演題14:要石/★扇の的【添写真→】
演題16:弥勒菩薩/恵比寿

若衆組
演題14:堀川夜討(碁盤忠信)【添写真→】/道行初音旅
演題16:鯉掴み(金太郎)/★千手観音

川若組・若衆組の交差


 「扇の的」は官女の面持ちがとても古臭く、いい味を出していた。
 「勧進帳」はほぼ役者絵のとおりの図柄だが、迫ってくるにつれ両者の目力が感じられ、迫力満点であった。
「千手観音」は切り取り方と色で、まるで手のひら一つ一つが花びらのよう


平成25年
山車組 コメント

上若組
演題14:櫓太鼓鳴音吉原 朝霧島蔵の水垢離
/★天灯鬼

下若組
演題14:南部纏
/不動明王(剣2本)

川若組
演題14:七福神宝船

若衆組
演題14:牢破り(景清)
/百人一首【添写真↓】

 川若組の宝船は側面に一人ずつ、表に恵比寿大黒、見返しに弁天・毘沙門・布袋で七福神をそろえ、見返し札は無し。丸みがあって画風も独特。
 「南部纏」は火消しの顔と傍らの梯子以外は基本的に墨の濃淡で描いている。纏が主役なためか、纏のひらひらで顔が隠れる角度が多かった。
 「牢破り」の景清は顔と胸だけで手は描かず、遠望するとつまらないが、距離を詰めて来ると牢格子がハの字に開いてきてなかなか面白い。
若衆組「百人一首」


平成26年
山車組 コメント

上若組
演題14:唐獅子牡丹【添写真↓】
/紅葉狩(鬼女)

下若組
演題14:風神雷神
/巴御前

川若組
演題14:鬼子母神(子抱き)
/輪入道【添写真↓】

若衆組
演題14:車引き梅王丸
/左大臣時平

 若衆組は歌舞伎の車引きから梅王丸を1体に仕立て、頭上にかざした握りの手と三本差しの刀を立体化、従前に比べ絵柄に独自の色が出てきた。
 上若組「唐獅子牡丹」の顔は一見獅子に見えず、体も実はどうなっているのか分からないが、インパクトがあり味があった。音頭は「背なの彫り物 唐獅子牡丹」とか「獅子は強さの旗印」とか、多岐に解釈している。
 風神雷神は構図といい画力といい圧巻の出来栄え、太鼓や風袋はぎりぎりまで省いて鬼面で勝負。見返しの巴御前も、顔が良かった。全体にモノトーンの色調で、少し褐色がかった色であるのがよい。
 川若組は表は穏やかに、見返しは鬼太郎に出てくる構図のままだが肌を緑にし、周囲の火炎をよく目立つようにしたのが効果的。
川若組「輪入道」と上若組「唐獅子牡丹」


平成27年
山車組 コメント

上若組
演題14:矢の根(大根・大首)
/竹抜五郎(役者絵)

下若組
演題14:南部火消し(水かぶり)
/★鬼若丸【添写真↓】

川若組
演題14:九尾の狐(狐面としっぽ)
/古典妖怪(一つ目、ろくろ首、傘おばけ)

若衆組
演題14:勧進帳
飛び六方【添写真↓】
/富樫

 袖や演題札に音頭の歌詞を入れる組が多くなり、これら文字もまたあんどん山車装飾の一画に入ったといえる。
 構図の妙といい光の具合といい、下若組が頭2つ抜けた出来映えであり、特にも鬼若が圧巻。
下若組「鬼若丸」と若衆組「飛び六方」


平成28年
山車組 コメント

上若組
演題14:般若とおかめ(面並べ)
/早池峰神楽の権現舞【添写真↓】

下若組
演題14:ににぎのみこと(獅子・猿田彦と)
/鞍馬山

川若組
演題14:天女(笛吹き)
/大江山の坂田金時

若衆組
演題14:碇知盛(隈取入り)
/四神(札形式)

 大太鼓が乗ると隠れるような位置に割合重要なモチーフが描かれているのは不思議だ。
 全国神楽大会を応援する上若組の権現様は、柄杓を銜えて幕をいっぱいに広げ水撒きをする終盤の姿。
8月14日午後5時、仲町上若組「権現さん」


平成29年
山車組 コメント

上若組
演題16:★平九郎の蛇退治【添写真↓】
/阿弥陀如来

下若組
演題16:天竺徳兵衛(刀と碇を手に)
/☆牛若弁慶

川若組
演題16:文殊菩薩
/布袋さん

若衆組
演題16:★刀八毘沙門天
/不動明王

 14日には弘前の扇ねぶたを招聘、16日にも個性的な題が揃った。
 若衆組の毘沙門天は三面に刀身8本を備えた毛越寺スタイル、下若組の五条の橋は弁慶を上に配置。
 蛇退治は以前他の組で出した趣向だが、本作は原典もわかりやすく、かつ当地なりの個性を出しているのが良い。
上若組「平九郎蛇退治」



 
(年賦)

平成3年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:★若貴時代/(不明)
演題16:文殊菩薩/鐘旭(立ち姿)

下若組
演題14:朝比奈三郎/小野小町
演題16:平将門(束帯・金棒)/静御前

川若組
演題14:渡辺綱/源三位頼政
演題16:孔雀明王/鳴神

若衆組
演題14:巴御前/どんぐりと山猫
演題16:阿弥陀如来/宝船

「若貴時代」貴花田・若花田で沸いた大相撲ブームを反映、がぷり4つに組んだ力士を上げたまさに大迫の山車


 平成4年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題:地蔵尊/毘沙門天/不動明王/恵比寿

下若組
演題:碇知盛/夜曲/兜割/五月雨

川若組
演題:自来也/将門(滝夜叉姫)/薬叉明王/連獅子

若衆組
演題:衣川合戦/○/軍荼利明王/土神ときつね

下若組の見返し一般は大変興味深い
「兜割」は歌舞伎? なかなか絢爛で豪快


 平成5年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:弁慶(勧進帳)/(不明)
演題16:滝のぼり/軍鶏

下若組
演題14:鯉金時/舞
演題16:青の洞門/蝶

川若組
演題14:枕獅子/武者絵
演題16:★西遊記(三蔵法師・孫悟空)/西遊記(豚・河童)

若衆組
演題14:(不明)/注文の多い料理店
演題16:貞任炎ゆ/恐竜王国

「西遊記」は三蔵法師まで妖怪化けしていて面白そう


 平成6年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:滝不動/観音菩薩
演題16:昇龍/弥勒

下若組
演題14:陣太鼓(大石蔵之助)/おいらん
演題16:風雲児/汐汲み

川若組
演題14:須佐之男命/滝昇り
演題16:帝釈天/天女

若衆組
演題14:暫/大入道
演題16:孔雀明王/銀河(スペースシャトル) 



 平成7年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:和藤内/(不明)
演題16:(不明)

下若組
演題14:猛虎(虎退治)/晴間
演題16:火消し/

川若組
演題14:魔界転生/弁慶
演題16:聖観音/水滸演武

若衆組
演題14:児雷也/(不明)
演題16:ざしきわらし/日光菩薩



 平成8年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:竹抜五郎/かんのんさん
演題16:松王丸/天狗面

下若組
演題14:本能寺/かぐや姫/
演題16:暫/★一寸法師

川若組
演題14:★鶴/坂田金時
演題16:観世音菩薩/人魚

若衆組
演題14:★連獅子/セロ弾きのゴーシュ
演題16:梵天/神楽面(早池峰神楽キャラクター)

「鶴」は鶴の恩返しで、羽根を広げた鶴と娘を上手に重ねた秀作
「連獅子」の極端なまでの温度差が好き


 平成9年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:武者凧/阿弥陀さま
演題16:摩利支天/星姫

下若組
演題14:三本の矢/おと姫
演題16:龍神/たから

川若組
演題14:雲谷の頓慶/九尾の狐
演題16:普賢菩薩/★孫悟空(お釈迦様の手)

若衆組
演題14:八岐大蛇/天女之羽衣
演題16:大日如来/もののけ姫

「孫悟空」はお釈迦様の手のひらに、よく構図をまとめたなと


 平成10年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:浮世絵(美人画)/如来さま
演題16:歌舞伎/とら

下若組
演題14:仁田四郎/満開
演題16:南部火消し/蓮

川若組
演題14:★竹抜五郎(上半身)/波切不動
演題16:騎龍観音/龍姫

若衆組
演題14:★鎧引き/跋陀羅尊者
演題16:如意輪観音/藤娘

「竹抜五郎」の野趣が圧巻
「浮世絵」はからかさ美人の巨大化、行灯山車ならでは
「満開」の桜は小さな箱型行灯をたくさん組んで表現
「鎧引き」は着物でなく五郎の顔を赤くした、大迫あんどん一二を争う傑作


 平成11年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:巴御前/うさぎ(月)
演題16:雷神/お山伝説

下若組
演題14:剛弓/ほたる
演題16:湖水渡/ねずみ女小僧

川若組
演題14:仁王(あ)/仁王(うん)
演題16:鬼若丸/張順(顔)

若衆組
演題14:浦嶋太郎/トトロの森
演題16:★早川鮎之介/愛染明王

「早川鮎之介」は大きな鮎と味のある面持ちで大迫ならではの出来栄え
「湖水渡り」は有名な明智光春、山車になるのは珍しい


 平成12年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:押戻/雲龍
演題16:矢の根/天女

下若組
演題14:名馬の誉/恩返し(鶴の恩返し)
演題16:事故で休み

川若組
演題14:鬼子母神/一寸法師
演題16:天女/雷神

若衆組
演題14:新撰組/鶴の恩返し
演題16:不動明王/白髭の水



 平成13年状況(未見物:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:解脱/びいどろ
演題16:鳴神/子安地蔵

下若組
事故で休み

川若組
演題14:義経(八艘飛び)/浦島太郎
演題16:助六/舞子

若衆組
演題14:車引き(四ツ車大八)/浮世絵
演題16:阿弥陀如来/雪女

「解脱」は上若歌舞伎では最も惹かれる一台
「雪女」は凍ってしまった男とともに…涼しそう


 平成14年状況(未見物分:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:記載済み
演題16:弘法大師/不動明王

下若組
演題14:記載済み
演題16:碇知盛/涼景(鯉)

川若組
演題14:記載済み
演題16:暫/ろくろ首

若衆組
演題14:記載済み
演題16:風神雷神/朱雀白虎



 平成15年状況(未見物分:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:太平記/あわせ鏡
演題16:記載済み

下若組
演題14:★仁木弾正(ねずみ)/道成寺
演題16:記載済み

川若組
演題14:恵比寿大黒/鳴神
演題16:記載済み

若衆組
演題14:暫(顔)/あさがお
演題16:記載済み

「仁木弾正」はネズミが入ってよくまとまった構想


 平成16年状況(未見物分:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:本能寺/お竹如来
演題16:記載済み

下若組
演題14:鳴神上人/絶間姫
演題16:記載済み

川若組
演題14:矢の根/弁天小僧
演題16:記載済み

若衆組
演題14:五条大橋/鯉
演題16:記載済み



 平成17年状況(未見物分:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:記載済み
演題16:鬼若丸/阿弥陀如来

下若組
演題14:記載済み
演題16:鎌倉悪源太/★竹抜五郎

川若組
演題14:記載済み
演題16:坂田金時/★勧進帳

若衆組
演題14:記載済み
演題16:助六/揚巻

「竹抜五郎」は全身、足のリズムが魅力的
「勧進帳」の黒と水色は灯りが入ると美しそうだ


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成22年状況(未見物分:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:★鬼一法眼/馬頭観音
演題16:記載済み

下若組
演題14:草摺引五郎時致/紅葉御前
演題16:記載済み

川若組
演題14:多聞丸/花魁
演題16:記載済み

若衆組
演題14:五条橋/静御前
演題16:記載済み



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成23年状況(未見物分:大迫町広報参照)
山車組 これが見たかった…

上若組
演題14:天竺徳兵衛/持国天
演題16:記載済み

下若組
演題14:救世菩薩(青龍と)/★打揚花火
演題16:記載済み

川若組
演題14:弁財天/地蔵菩薩

若衆組
演題14:暫(元禄見得)/不動




文責・写真:山屋 賢一

大迫の秋山車(三社大祭)

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