二戸まつりと

初日は稲荷神社のお通り、中日は愛宕神社、最終日は秋葉神社のお通りである。山車は神輿行列に随行して午後いっぱい運行する。個別に動いたり夜間に動くような風習は現在は行われておらず、お通り以外での山車の運行(集合場所への移動、解散場所からの移動)はものすごく窮屈に行われている。
県北最高台数とは言ったものの、出場する山車の大半は業者発注ないし借り上げによって構成されている。福岡下町に端を発する「平三山車(平下信一さんによる風流山車)」は岩手県北各地に見られるが、福岡の秋祭りには最多台数の5台が出場している。発注先の分布は、長嶺・田町・秋葉(下中町)・愛宕・市役所と、福岡北部に綺麗に並んでいる。山車奉納地域中最南に位置する八幡下の「は組」は、隣町の一戸から山車飾り一式を借り上げ、両者の中間に位置する五日町・在府小路八幡・川又が地元町内手作りの山車を出す。


[長嶺町内会祭典実行委員会]…平三人形発注による風流山車。その年に考案される平三山車の趣向のうち、最も話題性の高い演題を飾る傾向がある。高さ・躍動感が十二分に活きた飾り物であり、表裏一体の趣向とする年も多い。照明が各町の山車に点っていた時期は、長嶺の電飾が格段に素晴らしかったともいう。復活当初は、一戸の野田組から山車飾り一式を借り、太鼓は一戸以南と同じように前後に分断されていた。
[田町町内会]…平三人形発注による風流山車。二戸まつり出場組では唯一の単独町内山車組であり、平三人形発注先でも唯一、町内の工夫で「添え付け飾り」を行っている。開閉式の軒花(馬簾)、白や黄色の牡丹は田町で改めて供え、松は明るい緑に着色して飾る。大太鼓を後ろに配す定型を貫き、バランスと色彩のよさを感じさせる山車組である。180戸の小さな町の意地が10年の苦節を乗り越え、昭和58年にギャロ町の象徴『自来也』を奉納した。以来毎年地域一丸となって山車行事に励んでいる。

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[愛宕山車]…平三人形発注による風流山車。躍動的な茶の馬を用いた槍遣いの武者ものがよく出る。特に『山中鹿之助』が再三にわたって登場し、壮大な構図、ダイナミックな様式美を見せる。酒蔵「南部美人」のロゴが雪洞や飾りに入る年もある。
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[五日町若者連]…盛岡風の人形を使う手作り山車組。独自のこだわりのもと山車作りに6月から取り組み、盛岡山車の隠れた名手として一部では評価が高い。飾り方はやや派手だが、きちんと和紙による桜を使い、牡丹も紅白を分けて飾る。からくりを備えた『道成寺』の清姫を始め、『連獅子』『車引き』『和藤内』といった盛岡周辺でおなじみの歌舞伎演題を手がける、県北では希少な存在である。地元九戸城の英傑九戸政實の勇姿を連作で描くなど、地域伝承に密着した時期もあった。見返しも立派で、まるで表の飾りのような大振りの人形を飾る。

[在八町内会]…ここ数年で頻繁に作風を変えている自作組である。平成11年ころまでは盛岡風の大人形であったが、その後平三山車程度まで人形の数を増やし、大きさを縮小した(平成15年『本能寺の変』など)。近年は八戸などでよく見られる菊人形風の頭を使うようになり(平成16年『加藤清正』など)、牡丹の下に彫刻を施すなど、青森県南の山車の雰囲気に近づきつつある。作風の変遷とともに、演題開拓への貪欲な姿勢が見られ、地域史を山車人形へと掘り起こす試みも積極的に行っている。
(平成以降の歴代演題)H21:仁田四郎忠常 H20:竜神観音 H19:武田信玄出陣 H18:田中館愛橘なまず退治 H17:孫悟空/常盤御前 H16:加藤清正/汐汲み H15:本能寺の変/田中館愛橘夫妻 H14:七福神宝船 H13:九戸政實 H12:酒呑童子 H11:鞍馬山/北条時宗の笠懸 H10:阿仁のマタギ H9:石川五右衛門の釜茹で H8:工藤祐経 H7:児雷也/たつのこたろう H6:竜虎の戦い H5:和藤内虎退治 H4:岩見重太郎 H3:九戸政實
(平成以降の歴代演題)H21:羅生門/鯉金時 H20:九尾の狐/水滸伝の張順 H19:義経八艘飛び/鬼若丸 H18:佐々木高綱/里見八犬伝 H17:山内一豊/加藤清正 H16:小牧山の秀吉/花咲か爺さん H15:巌流島/加藤清正 H14:那須与一/大石蔵之助 H13:山内一豊 H12:富士川の功名 H11:平清盛/大石蔵之助 H9:那須与一/花咲か爺さん H8:山内一豊 H7:清盛と重盛 H4:明智光秀 H3:那須与一/花咲爺 H1:巌流島 S60:吉良上野介 [は組] (平成以降の歴代演題)H21:加藤清正/豊臣秀頼 H20:真田幸村/由利鎌之助 H19:弁慶立ち往生/鞍馬山 H18:児雷也/藤娘 H17:瓶割り柴田/お市さま H16:九戸政實/豊臣秀吉 H15:藤原純友/一寸法師 H14:桂川力蔵/前田まつ H13:八幡太郎義家 H12:釣鐘弁慶 H11:岩見重太郎/鶴の恩返し H10:紀伊国屋文左衛門 H9:和藤内/もののけ姫 H8:滝間戸の志賀之助 H7:里見八犬伝/宮本武蔵 H5:朝比奈三郎 H4:西塔鬼若丸 H3:九戸政實/亀千代

<詳細日程>

pm1:30
各組山車 八幡下集結(主に町の北部から巡行、八幡下駐車場にて1時間待機)
pm2:30
呑香稲荷神社神輿渡御行列八幡下出発し北上
・坂本七つ物
・<平>長嶺山車
・<平>田町山車
・<平>秋葉(下町)山車
・<平>愛宕山車
・<平>市役所お祭り同好会山車
・<南>五日町山車
・<南>川又山車
・<南>在八山車
・<南>は組(八幡下)山車
pm4:30
神輿行列解散、は組山車Uターン
pm6:00
坂本七つ物、稲荷神社付近門打ち
pm7:30
なにゃどやら流し踊り商店街南下

9/ 第1土
pm2:30
愛宕神社神輿渡御行列長嶺出発
9/第1日
pm1:00 奉納呑香稲荷神社神代神楽 呑香稲荷神社神楽殿
pm2:30
秋葉神社神輿渡御行列町内南下開始(※この日のみ上米沢しし踊り随行)
pm5:00
◎
薬師堂(米沢 5/3・4)
IGR斗米駅から徒歩15分程度。毎年GWの時期に平三人形を飾った山車1台を奉納する祭りがあり、地元では「やくしっこ」と呼ぶ。山車は3日夜7時より宵宮の運行、翌4日の本祭には午後2時から4時にかけて薬師堂周辺の通りを巡行する。照明は山車の前後にライトを2本ずつと、囃子の乗る山車の前の舞台を提灯で照らす。(平成15・16年見物)
八坂神社(金田一 8/17・18・19)
平成14年を最後に山車行事は中断し、現在は金田一太神楽・金田一七つ物などが町内を回って演じている。以前は平三人形や自作の人形で飾った山車2台が出ていた。昭和30年代には絵紙も出していた。
天満宮(上米沢 8/最終土日)
平三山車のうち最小のものが1台運行するという。写真確認。
武内神社(堀野 9/第2土日)
平三山車が2台、馬渕組と三区連合から出る。どちらも二戸まつりに用いた人形をやや場面を縮小して上げており、馬渕組では大太鼓を後ろに配して盛岡風に据えている。東組(東側若連)は一戸の西法寺組から表裏の人形を買い上げ、桜など自前の飾りを足して牡丹の絵が入った台車に飾って引く。
(平成13・16年見物)

神明社(浄法寺 9/第2週末)
平成18年から
枋ノ木神社(石切所 9/第3土日)
二戸駅前地区の秋祭り。川原橋通りの平三人形山車、枋ノ木中央と前田組の盛岡山車(五日町より表裏人形各1体ずつを借りて飾る)・駅前一区の高覧山車(
(平成14年見物)
日吉神社(坂本 10/第2土日)
手作り山車1台が運行するという。写真確認。
文責・写真:山屋 賢一
(掲載写真の一部を読者さまに提供いただきました。御礼申し上げます。)
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