八坂神社稲荷神社例大祭一戸まつり2018

 山車はやはり、源平がよい。

 



宇治川先陣 / 源頼朝  上 町 組

岩手県二戸郡一戸町八坂神社祭典山車

佐々木高綱 駒うちならべ 宇治の荒波 競い合う
馬はいけずき 乗り手は佐々木 四郎高綱 早瀬つく

※南部流風流山車の『宇治川先陣』『佐々木高綱』

※同趣向先行作(平成25年 盛岡一番組)

 
岩手県一戸町八坂神社稲荷神社祭典山車岩手県一戸町八坂神社稲荷神社祭典山車

 秀作ぞろいの当年に在って、尚歴然と魅力的な一台。高綱に勢いがあるのと、騎馬武者双方のメリハリ・違いが際立っているのが素晴らしい。いつもの顔をいつものように見せない髭と兜の演出が見事。
 見返しは、両雄に馬を与える主君頼朝「木曽義仲征伐」。







弁慶引摺鐘 / 七福神宝船 野 田 組

比叡の山々鐘の音ひびく 勝負師弁慶鐘を撞く

戦雲湧き立つ 琵琶湖のほとり 三井寺鐘の おと高く
近江の戦い 弁慶おどる 釣鐘背負いて 比叡山

※南部流風流山車の『釣鐘弁慶』(含 当組前々作平成12年)

※当組同題の前作(平成22年)

※南部流風流山車の七福神

 
戦雲沸き立つ琵琶湖のほとり 三井寺鐘の音が響く見返しにも音頭歌詞があったようですが、書きそびれました

 過去に違和感が出たほうの弁慶の頭が使われたが、構図の妙で十二分に迫力が出た。きちんと釣鐘弁慶であるのに、鐘と人物とで2体の趣を出せている。
 見返しは、むしろこのように素材を顕にした方が納得がいき、豪華に見えるようだ。


(参考)同題材 岩手町川口秋まつりの『釣鐘弁慶』(み組 平成30年)

清く流れる古舘川の 水の恵みで米が成る

細い矢柄も 束ねて強し 橋場・上町 駅通り

怪力弁慶 梵鐘奪い 比叡の山へ 引き上げる





 






安宅の関 / 舞猩々  橋 中 組

君への思い

主従の絆に 富樫も打たれ あたか(安宅)も知らぬと 通す関
(見返し)酌めど尽きせぬ 弥栄(いやさか)あれと 舞う猩々の 赤がしら

※南部流風流山車の『勧進帳』

※南部流風流山車の『猩々』

 

岩手県一戸町八坂神社稲荷神社祭典山車


 平成元年『一心太助』以来の2人形の趣向。西法寺に次ぐ歌舞伎組の本領が発揮され、舞台そのままの心地よい色味に。
 場面設定が独特なのだが、その意図を観衆に伝えきっていないのは惜しい。見返しはこれまでに無い軽やかな構図が効果大。


(参考)同町小鳥谷で出た同題材『勧進帳』の山車(に組 平成30年)

情けの安宅関越え陸奥へ はやる旅路の飛び六方









源為朝 / 琉球王舜天  本   組

岩手県一戸町八坂神社稲荷神社祭典山車

鎮西八郎 武勇の鑑 弓の勢い つるの音
(見返し)琉球まとめて いしずえ築き 民を守りし 舜天王

※当組同題の前作(平成19年)

※南部流風流山車の『為朝公』『島の為朝』

 

岩手県一戸町八坂神社稲荷神社祭典山車岩手県一戸町八坂神社稲荷神社祭典山車


 過去の題材に喜界島の泉を開く逸話を加え、シンプルな弓引き武者の山車とした。
 体勢が素晴らしく、格好良い角度が多かった。見返しも前作と同趣向ながら、演出はまったく変えて本格化。







道成寺 / 白拍子花子  西法寺組

見得も豪奢に青竹抱え 花の舞台に見得を切る

轟く山車(さんしゃ)に 掛け声高く 引けや稲荷の 社まで
勇む姿の 歌舞伎の神が 竹を構えて 押し戻す

※南部流風流山車の『京鹿子娘道成寺』

 
岩手県一戸町八坂神社稲荷神社祭典山車

 今年初めて最終日の夕方(16時頃)の関屋を歩き、西法寺組の多彩な音頭歌詞を満喫することができた。
 題自体は年初の希望が図らずも叶ったのだが、部品の大部分に既視感がある筋隈でない押戻はかなり淋しい。鬼も付いたが、居はするのだけれど というふうで淋しい。




(参考)角館まつりの飾山『歌舞伎十八番 蛇柳』(秋田県仙北市 平成30年)

秋田県仙北市 角館まつりのやま行事





※各組歴代作例




写真・文責:山屋賢一(やまや けんいち)/連絡先:sutekinaomaturi@outlook.com

岩手県二戸郡一戸町 平成30年8月26日(日)
/同紫波郡紫波町上平沢 同9月8日(土)・同岩手郡岩手町川口 同9月24日(月)・同二戸郡一戸町小鳥谷 同9月16日(日)・秋田県仙北市角館 同9月7日(金)

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