南部流風流山車行事データ

 

日詰の山車

山車のすれ違い(日詰商店街)
 毎年9月第1金曜日に紫波町桜町の志賀理和気神社に奉納される上組、一番組、橋本組、下組の山車。以前は9月4日に奉納され、以降2日間に渡り町内を練り歩いた。山車人形を盛岡や一戸から借り上げて飾る慣例があったが、近年2団体で自前の人形が作られている。4つの組で異なる構成の囃子を伝え(特に笛)、大太鼓に合わせてかける独特の囃子言葉が大変威勢よく、全体に活気あふれる山車祭りである。4台そろっての運行は2日めの夜だが、祭典期間の3日間はどの日も日詰商店街の夜間運行でにぎわう。商店街を横断する繋ぎ提灯を唐竹で払いのけて山車を引く様子は圧巻である。山車を伴う神輿渡御を夜間に行うなど、夜の運行を佳境とする山車まつりである。
(岩手県紫波郡紫波町日詰 JR東北本線紫波中央駅最寄)

 

 

 

一戸人形ならではの演題 下組『一心太助』

下組

 日詰ではもっとも早期から山車行事を慣例化したと考えられる組。もともとは「消防1分団第2部」として山車を運行していた。現在は一戸の橋中組より人形、花など飾り一式を買い入れ、自前の大八車に飾っている(橋中組の山車人形は地元を含め他地域ではトラック台車に乗る人形だが、日詰でのみ大八車の上で見られるという希少さがある)。また演題傾向についても、盛岡から借り上げるほかの山車組にはない創意あふれる趣向が多く見られた。現在は下げ波のみ自前で添えているが、以前は桃色や黄色のオリジナルの桜を作り、一戸から借りた桜に付け足して山車に飾っていた。町内では唯一、見返しに酒樽を積む習慣が無く、太鼓は小太鼓6基、大太鼓1基4人打ち、いずれも締め太鼓である。囃子は歩み、早太鼓、まっちゃは3種。長らく大太鼓のリズムに連動しない独特の笛のメロディーをカセットテープで流していたが、平成9年より笛の音曲を新調し太鼓拍子に連動させ、まっちゃ各種にも笛を付けた。平成20年前後から、2日目のパレード終了後に限って創作太鼓のような囃子で山車を動かす慣例が出来つつある。照明は牡丹に常灯電球、松桜にはおのおの彩色蛍光灯を備える。貸出先の橋中組よりも早く、山車の電飾を始めていた。

 

※南部山車番付(2001.4〜2005.6)における下組の記述※

 

 

借り上げ人形師による日詰初出の人形 上組『ゆはずの泉』
上組

 写真資料によれば、昭和天皇大典の年に4町中唯一山車を運行した組である。草創期は「消防1分団第1部」として、2部と交代で山車を奉納している。もともと一戸の野田組から人形を借りていたが、昭和50年代から盛岡の駒木人形に転向し、紺屋町を始めとする盛岡市内の伝統的な火消し組から人形を借りるようになった。借り入れた人形を一度バラバラに崩し、衣装をクリーニングして新たに組み直す慣例があり、部品のみを借りて演題を自前で作り上げることも多く、実質的には自前製作に近い状況であった。平成20年に、一番組に次いで日詰では二番目の完全自作団体となり、絵紙を作るようになった(見返しに限れば、平成10年ごろから自前で作っていた)。飾り方は日詰4町のうちもっとも古風実直であり、唯一本式南部流の藤の花を飾っている。照明は常灯豆電球を松に大量に仕込み、牡丹の豆電球は点滅させる。太鼓は小太鼓6基、大太鼓1基3人打ち、いずれも締め太鼓である。大太鼓の奏法はダイナミックで、非常に見ごたえがする。囃子は長らく歩みとあげ太鼓のみだったが、平成18年に2つまっちゃ、19年に4つまっちゃを新作し、音頭前後の囃子の作法を若干変化させている。音頭も一句目と二句目の間に独特の振りがあり、「日詰音頭」の原形ともいわれる。祭典最終日には、商店街各所で「鍛冶町さんさ踊り」他の演芸披露を行う。

 

 

一番組

夜の山車(一番組『黒田武士』)

 習町組、寺小路組などが昭和40年代に合一し、盛岡馬町の山車に倣って一番組を名乗った。はじめは駒木人形組であったらしいが、昭和59年から盛岡観光協会の前年の人形を借り入れて飾る慣例が出来る。平成12年より牡丹・玉桜・横波・下げ波・しぶきを自前で作って人形のみを借りるようになり、平成18年に至って、人形を含む完全自作を実現した。太鼓は小太鼓5基、大太鼓2基2人打ちでいずれも鋲止めの宮太鼓を使う。小太鼓要員は小学1年生から募集し、日詰では最も若い層に担わせている。大太鼓は、打ち手が前後で利き手を逆にする「鏡打ち」を行う。囃子は歩み、早太鼓、まっちゃは3種。音頭の後で歩みを打ち始めるときは、左から一人ずつ叩いていく。照明は牡丹に常灯豆電球、青色蛍光灯、アクセントにフラッシュライトを使用する。祝儀返礼の山車絵紙の風習を日詰山車組中もっとも長く継承、平成20・21年は絵紙を染めた手拭を作った。

 

 

橋本組

橋本組『紀伊国屋文左衛門』 借上ではなく改作
 日詰商店街からの奉納組で、写真資料によれば昭和40年に初めて橋本組を名乗ったと考えられる。青森の八戸から仕掛け舞台を伴う山車を持ち込んだこともあったが、駒木人形期、推進会・の組期を経て、現在は盛岡市中屋敷町の城西組から人形を借りている。城西組初借り上げの平成10年に桜をふち染め・芯染めの二色で作って両側に配す形に変化し、一番組・上組にも伝播。盛岡では片側桜に移行した後も、橋本組では伝習時の二色両桜を継承している。太鼓は小太鼓5基、大太鼓2基2人打ちでいずれも鋲止めの宮太鼓である。囃子は歩み、早太鼓、まっちゃは6種で、あげ太鼓が1つまっちゃと2つまっちゃ、3つまっちゃも後半がダブるもの含め2種類、また独自に伝承する5つまっちゃがある。音頭に先行するまっちゃは場合に応じて変える。小太鼓の高音と大太鼓の低音がよく調和した華やかな囃子で、笛の旋律は町内でもっとも盛岡に近い。照明は松桜に彩色蛍光灯、牡丹には点滅する豆電球を入れる。見返しの照明軸に青色蛍光灯を仕込んで大太鼓のたたき手の白装束を照らす(平成6年から)。

 





登場する郷土芸能(例年)
●かじ町さんさ踊り
(初日:赤石神社で奉納、最終日:商店街を巡演)
●桜町田植え踊り(初日:赤石神社で奉納)
●赤沢神楽(祭典期間:日詰商店街を門付け、最終日:赤石神社で幕神楽5〜6番)
●星山神楽(中日:神輿行列に随行、各所で披露)
●浦安の舞(初日:赤石神社で奉納、最終日:商店街で上演)


小屋前記念撮影(一番組『紅葉狩』)
<詳細日程>
9/第一木
※自発的前夜祭(各組車庫の前で太鼓練習総仕上げ)pm6:30〜8:30

9/第一金「宵宮祭」
※奉納神楽 pm3:00 志賀理和気神社社殿にて赤沢神楽
『祝詞(御神楽奏上)』『鳥舞』『翁』『三番』『八幡』『岩戸舞』『権現舞』
※祭事 pm5:00
※各組山車出発式 pm3:00ころ 
各組車庫前
→山車出庫、赤石神社(志賀理和気神社)へ向かう
→各組山車赤石神社前集結 pm5:00
・音頭奉納(各組の頭取による音頭あげ) pm5:30〜 志賀理和気神社
※直後に鍛治町さんさ踊りの奉納があります。
・氏子舞踊奉納(赤石神社巫女舞『浦浜の舞』・桜町田植踊) pm6:30〜 志賀理和気神社
※山車赤石神社発 <橋>pm6:30<一>pm6:40<下>pm6:50<上>pm7:00
→山車4台日詰商店街自由運行、門かけ(音頭あげ)
→山車納車予定 pm9:00ごろ

ナックス前山車揃い
9/第一土「神幸祭」
※神社御神輿渡御(赤石神社から半日かけて日詰地区全域を廻る)
→神輿発御pm1:00〜高木公民館前〜ナックスpm2:30〜紫波警察署前〜富岡鉄工所〜工藤酒店前〜フルーツたもり前pm4:00〜平六酒造店〜日詰商店街〜(国道横断)〜紫波中央駅前通〜薬師神社pm5:15〜鍛治町皇大神宮pm7:00〜神社還御pm8:00
 ※神輿行列概要
・猿田彦尊
・志賀理和気神社神旗
・南部一ノ宮幟行列
・干支杖行列
・寛永年間作の志賀理和気神社宮神輿
・白山神社赤沢権現および神楽衆打ち鳴らし
・百澤神社星山権現および神楽衆打ち鳴らし
・町内全権現頭随行・各種神器行列
・布施車
※各組山車出庫 pm1:30〜3:00(住宅地中心に町内を巡る)
※各組山車日詰商店街北上 pm6:30←(実質午後5時半には各山車とも日詰商店街にいる)
※各組山車皇大神宮前集結 pm6:45
※日詰商店街大パレード pm7:00鍛治町出発
・志賀理和気神社神輿渡御行列
・下組山車
・一番組山車
・上組山車
・橋本組山車
・桜組練り神輿
・祭興会練り神輿
※日詰商店街習町ヒノヤタクシー前にて星山神楽しんがく舞披露
※パレード解散後、山車はUターンして再び日詰商店街自由運行、納車pm9:00〜9:30
※赤沢神楽しんがく舞にて日詰商店街全戸門かけ@

最終日終盤(一番組初自作『勧進帳』)

9/第一日「奉祝大祭」
※元宮祭 am8:00
※各山車や神輿は昼12時半〜3時ごろ出庫
 桜町、日詰地区、日詰商店街を運行。
※最終日の日詰商店街夜間運行はpm7:00ごろから→下組・一番組 pm9:00納車
※赤沢神楽しんがく舞にて日詰商店街全戸門かけA
※上組山車北上開始 pm8:00
(各種手踊り、鍛治町さんさ踊を披露しながら門かけ)〜納車pm10:00
※橋本組車庫前囃子 pm9:15〜pm10:00→祭典実行委員会祭典終了の挨拶
※祭典期間は午後6時半〜10時まで交通規制
→日詰商店街(御幸新道入り口から紫波橋通り交差点まで)歩行者天国



※山車ふりーく食堂その他
〜日詰商店街には、秋祭りの山車の写真や絵紙を常時展示し、お客様に公開している店舗がいくつかありますので紹介します。お祭り期間限定で公開しているお店もあります。

(常時展示中)
習町:松竹食堂
 平成12年からの日詰一番組の歴代記念写真を店内にパネル展示、自作後のものはスナップ写真・大判の写真も何点か飾っています。平成初期の橋本組(人形師がオリジナルで作っていた時期)の写真もあります。おすすめメニューは「ミニカツ丼とミニラーメン、800円」ほか。

習町:福  龍
 昭和50年代から平成初期までの一番組記念写真を入り口に展示、現在ではなかなか目にできない写真ばかりです。おすすめメニューは「天丼、750円」ほか。


(お祭り期間限定)
習町:ごんぞうホール
 一番組山車小屋の向かい。平成21年祭典では平成以降の日詰一番組歴代絵紙を解説付きで展示、年によってはスナップ写真が展示されることもあります。

仲町:遠山カメラ店
 昭和38年以降の橋本組の記念写真をほぼ網羅、一部焼き増しを購入できるものもあります。例年橋本組の祭典事務所か、あるいはその隣。

山屋時計店・メガネのヤマヤにもぜひお立ち寄りください

 

※志賀理和気神社祭典山車の歴代演題

※南部流風流山車全事例整理





橋本組・下組(富岡鉄工所前)
上組・一番組(赤石神社前)




 

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